【IT業界研究】|インターネット・Web業界

シェアする

IT業界は、主に「ハードウェア」、「ソフトウェア」、「インターネット(Web)」、「情報処理サービス」の4つに分類できます。それぞれ役割は異なり、職業選択をする上で把握しておかなければなりません。今回は、「インターネット業界(Web業界)」について理解を深めるとともに、就職難易度についても見ていきましょう。

概要

インターネット・Web業界は、Webサイト制作、ネットワーク構築、インターネット広告などの企業向けのサービスを提供する企業(BtoB)と、SNS、ポータルサイト、ショッピングサイトなどの個人向けのサービスを提供する企業(BtoC)に分けることができます。

この業界の特徴は主に二つあり、一つは一般に普及してから20年という若い業界であることです。1991年に世界初のWebサイトが制作され、一般家庭用コンピュータが発売された1995年に市場として動き始めました。そこから20年余りでここまで進化と拡大を遂げています。

二つ目の特徴は、仕事や働き方が多様化している点です。企業のWeb担当者として自社サービスや商品を紹介するためのWebサイトを制作・更新したり、制作会社に所属して様々な業界や企業のWebサイト制作に携わることもできます。また、最近では在宅ワークやフリーランスという働き方も増えています。

8つのWebサービス

Webサービスは、主に以下の8つに大別することができます。

ポータル

ポータルサイトとは、欲しい情報を探すために一番初めに訪れる検索サイトのことを言います。分かりやすく例を挙げると、検索エンジンを提供する企業の「Google」、「Yahoo!JAPAN」、「goo」などです。また、プロバイダが運営している「OCN」、「BIGLOBE」、企業が社員の業務効率向上のために提供している「企業ポータルサイト」など多岐にわたります。

SNS

SNSとは、ソーシャルネットワーキングサービスの略で、インターネットを介して人間関係を構築したり、情報をシェアできるサービスです。主に「情報の発信・共感・拡散」といった機能に重点を置いています。「Twitter」、「LINE」、「Instagram」、「Facebook」など、皆さんに馴染み深いものばかりです。

eコマース

インターネット上で商品の売買ができるサービスの総称が、eコマース(電子取引)です。分かりやすく言うと、ネットショッピングのことですね。ECやネット通販と呼ばれることもあります。eコマースは、主に「企業同士の取引(BtoB)」、「ネットショップなどの企業と消費者間の取引(BtoC)」、「オンラインオークションやフリマサイトなどの消費者同士の取引(CtoC)」の3つに分けられます。実店舗が無いため、維持コストなどが削減できるというメリットがあります。

Web広告

Webサービスの中に表示する広告システムサービスを、Web広告と呼びます。画像や文字だけの広告が一般的でしたが、最近では動画などの動きのあるものも浸透してきています。また、Web広告は種類が豊富で、すべてを把握することは難しいかもしれません。主流となる広告には「リスティング広告」、「アドネットワーク広告」、「SNS広告」、「記事広告」、「バナー広告」などが挙げられます。

キュレーション

昨今よく耳にするキュレーションは、欲しい情報を収集して発信してくれるニュースサービスのことです。インターネット上のあらゆる情報を、キュレーター(キュレーションを行う人)が整理してまとめます。まとめサイトと呼ばれることもあり、「Gunosy」や「SmartNews」が有名ですね。ユーザー参加型のキュレーションサービスでは、「NAVERまとめ」がその代表例です。

ソーシャルゲーム

スマートフォンやコンピュータで不特定多数の人と遊ぶことができ、SNSがプラットフォームとなっているゲームをソーシャルゲームと言います。ソシャゲと略して呼ばれることが多く、気軽に遊べるゲームとして人気を集めています。

eラーニング

eラーニングとは、通信教育など、インターネットを通じて学習できるサービスを指します。eラーニングの普及により、提供側は場所などのコスト削減を実現、学習者の管理や教材の改変が迅速に行えるようになりました。ユーザー側はモバイル端末(スマートフォン)で、いつでも・どこでも学習することができ、時間の面で融通が利きます。また、SNSを組み込むことで学習者同士のコミュニケーションを成立させ、学習意欲向上に繋げるといった動きもあります。

電子書籍

電子書籍は、書籍をモバイル端末で読めるサービスです。電子書籍元年と呼ばれる2010年から本格化し、特に漫画が人気を集めています。電子書店と呼ばれる販売サイトで購入したり、アプリをダウンロードすることで利用できます。「kindleストア」や「楽天Kobo電子書籍ストア」などが広く知られています。

代表的な職種

Webデザイナー

Webサイトのコンセプトに合わせてWebページをデザインする職種です。コーディングやWebページの画像等の選定・制作を行う場合もあります。

Webクリエイター

Webサイトやコンテンツ制作作業全般を行う職種を指します。顧客の希望や目的を叶えるため、どのようなWebサイトやコンテンツが必要であるか検討します。Webデザイナー、Webディレクター、WebエンジニアなどからWebクリエイターになる方法が一般的です。

Webマーケッター

IT化が進み、Webを用いたマーケティング活動が盛んになっています。企業の中でそのマーケティングを担当しているのが、WebマーケッターやWeb担当者と言われる人たちです。SEOやリスティング広告、LP(ランディングページ)など、様々な方法で効果的なマーケティングを日々模索しています。

代表的な企業

前述したとおり、「企業向けのサービスを提供する企業」と「個人向けのサービスを提供する企業」に分けることができます。それぞれ見ていきましょう。

企業向けサービスを提供する企業

インターネット広告代理店である博報堂グループ会社の「D.A.コンソーシアムホールディングス」、abema関連とインターネット広告事業を主に行う「サイバーエージェント」、GoogleAnalyticsGoogle広告を展開する「Google」、企業へのITアウトソーシングサービスを行う「transcosmos」が挙げられます。

個人向けサービスを提供する企業

就活生の皆さんに馴染み深いのは、個人向けサービスを提供している企業だと思います。コミュニケーションアプリLINEを展開している「LINE」、FacebookInstagramを運営する「Facebook Japan」などのSNS関連会社、フリマサイトを運営する「メルカリ」、楽天市場で知られる「楽天」などが有名ではないでしょうか。

市場規模

参考 株式会社野村総合研究所 日本の成長を支える産業「ウェブビジネス」

インターネット・Web業界の市場規模は、2020年で47兆円に到達すると予想されています。2010年からの10年間で約4.5倍の拡大であり、非常に勢いのある業界です。

参考 株式会社野村総合研究所 日本の成長を支える産業「ウェブビジネス」

また、雇用者数も10年間で150万人の増加が見込まれ、2020年には約195万人に及ぶと言われています。

今後の動向

今や不況知らずのIT業界。中でもインターネット・Web業界は、社会における高度なネットワーク環境の普及や整備に伴って、Web上の様々なサービスを開発・提供することにより、多くの利益を得ることが可能になっています。

パソコンが一台あれば始められ、ローコストであることが最大のメリットです。また、その歴史は20年余りということもあり、今後さらに発展が見込まれるでしょう。

また、Googleが発表した「モバイルファーストインデックス」が話題となっています。モバイル端末の所持率が非常に高いため、デスクトップをモバイル端末が追い抜いたことが要因です。

これは、今までの検索エンジンがPCサイトの内容をもとにインデックスしてコンテンツの質を評価する方法から、モバイル端末向けサイトを評価の主軸にしてインデックスする方法に変わるということです。これにより、モバイル端末の操作性や見せ方の利便性を考えたコンテンツが必要になっていきます。
変化の速いインターネット・Web業界では、これまで以上にスピード感が求められるでしょう。

気になる就職難易度は…

インターネット・Web業界の難易度:★★☆

インターネット・Web業界の就職難易度は、中レベルの星2となっています。
IT業界の中で最も人気があり、女性の比率が多い分野です。さらに未経験でも勉強すればできる仕事が多いため、入りやすいという特徴があります。しかし、目指す人が多く飽和状態が続き、倍率は非常に高くなっています。これにより、アルバイトやパート採用が多く、比較的給与水準が低い傾向にあります。大企業から中小企業まで幅広く存在しますが、実際は安定しない企業も少なくありません。誰でもできる仕事が多いとはいえ、秀でた技術を持ち合わせていない場合、安定は難しいでしょう。

シェアする

フォローする