履歴書やエントリシート(以下、ES)を書く際に、多くの就活生が悩む「志望動機」。業界や志望企業が絞れていても、決め手に欠ける志望動機になってはいませんか?
今回は、志望動機を聞かれる理由を踏まえ、書く際に押さえるべきポイントをご紹介したいと思います。
企業の採用基準を見てみよう
「就職白書2018」では、就活や採用に関する様々なデータを公開しています。その中に、「企業が採用基準で重視する項目、学生が面接等でアピールする項目」というデータがあります。ここでは学生と企業の間に存在する、重要視している項目のギャップを見ることができます。
引用 「就職白書2018」(株式会社リクルートキャリア、就職みらい研究所、2018年2月15日)
上の表を見て分かる通り、企業が重要視している項目は「人柄」(92.1%)、「自社への熱意」(77.6%)、「今後の可能性」(65.6%)です。一方で、学生が多くアピールしているのは「アルバイト経験」(44.4%)、「人柄」(36.0%)、「所属クラブ・サークル」(32.6%)です。
企業が重要視している「自社への熱意」や「今後の可能性」は、学生側はそれほどアピールできていないという結果になりました。このギャップに気づけずにいると、いくら自身の経験を語ったところで採用担当者には響きません。
まずは、「なぜ企業側は志望動機を聞くのか」というところから理解していきましょう。
企業はなぜ志望動機を聞くの?
なぜ企業側は志望動機を聞くのでしょうか。結論から言うと、「自社への熱意」を確かめたいと思っているからです。「企業がどのような人材を欲しがっているか」ということを考えれば、自ずとわかってきます。
企業は新卒採用を行う際に「将来活躍してくれる人」、「貢献してくれる人」を探しています。利益を上げて会社を成長させていくためには当然のことですよね。また、そういった人材には熱意があります。熱意のない人に、会社を成長させたいという強い気持ちは芽生えないと考えられています。
新卒採用の段階で、学生に即戦力は期待していません。それでも新卒採用を行うのは、自社で育てて将来貢献してくれることを期待しているからです。
志望動機を書く際に押さえるポイント
前項では、熱意の大切さを確認しました。しかし、ただ熱意を伝えるだけでは採用担当者には響きません。より志望動機を伝わりやすくするために、「押さえるべきポイント」を踏まえて文章を構成してきましょう。
業界・企業に興味を持ったきかっけ
自己分析や業界研究を通して仕事選びの軸を定めていくと、自ずと魅力を感じる業界や企業が絞られてきます。まずはそれらに「興味を持ったきっかけ・魅力に感じた点」を明確にしてみましょう。
ここで気を付けたいのが、「ただ会社を褒めているだけ」になってしまうこと。自分の経験(エピソード)や業界・市場に対する考えを述べた上で、その業界・企業の良いところを挙げなければ、ただの会社説明や宣伝文になってしまいます。自分がその業界・企業に魅力を感じている「理由」が志望動機ということです。
また、合同説明会など複数の企業に提出する履歴書/ESではなく、特定の企業に宛てた履歴書/ESの場合は、「なぜその企業を選んだのか」という点が肝心です。
例えば、IT企業への志望動機として以下のように書くケースがあります。
- システムを通してお客様の役に立ちたいから。
- 最先端の分野でエンジニアとして活躍したい。
しかし、これでは特定の企業への熱意は感じられません。IT企業ならどこでも通用しそうな文面です。あと一歩、これに加えて理由を述べる必要があります。「企業の特徴」、「それに魅力を感じる理由」をセットに考えれば、簡単に志望動機を作ることができます。
現在努力していること
続いてのパートでは、その業界・企業を目指すために「今努力していること(現在)」を考えます。ここは無理に記入する必要はありませんが、業界の基礎知識を学んでいるなど、アピールできることがあれば書いてみてください。
IT業界であれば、「未経験だがITパスポートの取得を目指している」、「体験セミナーに参加して理解を深めている」などがアピールの例になります。
将来どうなりたいか
業界・企業の魅力、そう思った理由を明確にすることができたら、最後に「将来どうなりたいか(未来)」を盛り込みます。
ここではビジョンや自身の魅力をただ伝えればいいという訳ではありません。「企業がどんな人材を求めているか」を把握し、自分の人となりを業界・企業の仕事と結び付けて「どう活躍したいか・できるか」や「将来の目的やビジョン」を考えます。
この部分がなければ、「将来活躍してくれる人」かどうかがわかりません。また、この時は説得力を増すために、必ず根拠(ビジョンを抱くに至った経緯)を加えましょう。
おわりに
履歴書/ESの中でも特に志望動機を書く際は、「応募企業の求めている人材」を把握していなければなりません。企業の特色や求める人材などの情報を集めた上で、将来的にプラスとなる可能性を感じてもらえるような志望動機を目指しましょう。