履歴書やエントリーシート(以下、ES)を書く際に、多くの就活生が躓く「自己PR」。闇雲にアピールしてもなかなか採用担当者には響きません。今回は自己PRの重要性を踏まえ、基本的な書き方についてご紹介していきます。
自己PRの重要性
就活において必須の自己PR。履歴書やESだけでなく、面接でも聞かれるため、しっかりと準備する必要があります。
自己PRは、企業があなたを深く知るための重要な手段の一つです。仮に少し誇張した内容を書いたとしても経験豊富な面接官にはすぐに見破られてしまいます。ウソをつきづらい部分のため、特に重要視されます。
また、書類選考通過後の面接では、会話を広げるきっかけとしても使われます。魅力的な自己PRを書くことができれば、面接官に興味を持ってもらうことができるのです。
まずは、「気になってもらうこと」が大切です。
企業の求める自己PR(強み)
自己PRとは、あなたの魅力をアピールできる最大のチャンスの場です。しかし、ただ闇雲に強みをアピールしても意味がありません。
ここでアピールする内容は、「自分にはこの能力・強みがあるから、企業の利益に貢献できる!」ということです。「企業が求める人材」、「どのような人材が利益に貢献できるか」などの情報収集を怠ると、的外れな内容となってしまいます。
まずは「企業がどのような人材を欲しているか」、「採用担当者はどこを重視しているか」ということを把握しておきましょう。
履歴書やopenESではなく、企業独自のESの場合は、設問に「企業の求める能力」が明確に書かれているケースが多いです。例を見ていきましょう。
解決したい課題や問題について、重要な関連性のある情報(データや事実)を見いだし、その課題や問題の根源をつきとめ、解決策を提案した結果、望ましい成果を上げた経験(500〜700字)
こちらは、「目標達成力(問題解決力)」を問いています。自ら目標を設定し、その目標を達成する上で乗り越えるべき困難や課題について解決する能力は、どの企業でも比較的重要視される項目です。粘り強さ、継続力、タフな精神力、問題に対する洞察力、行動力などが見られています。
あなたが過去にチャレンジしたことの中で直面した最大の困難は何ですか。その困難をどのように乗り越えたのか、またその経験があなたの人生や価値観にどのような影響を与えたのかについて記述してください。
「チャレンジ精神」を見極める設問です。チャレンジ精神とは、具体的に「自ら考え、ゼロから企画し実行する力」、「変化に対応する力」、「既存の枠にとらわれない自由な発想と実行力」を指します。時代の流れやニーズに対応できる人材は非常に重宝されます。新しいことにチャレンジした経験や企画力、豊かな発想力(アイディア)などをエピソードとともにアピールできると良いでしょう。
LINEを使って解決したい課題は何ですか? 業界や企業を選択した上で説明してください。(500字以内)
この設問では、企業の(ここではLINE)「事業内容の理解度」と、日頃から物事に関心を寄せて「課題を見つける能力があるか」を見ています。また、課題を解決するための自分の意見や考えを論理的に説明する能力もはかることのできる設問です。
あなたの会社選びの軸を3つ教えてください。(各140文字~180文字)
この設問では、主に3つのポイントを見られています。
①成長できる人物かどうか
なぜその仕事をしたいのか、そのためにどんな経験が必要なのか、自分自身を把握しているかどうかを見ています。
②長く勤められるかどうか
単に興味があったからという理由では、採用担当者にがっかりされてしまいます。「人生の大きな選択」ということをしっかり意識しているかどうかを判断しています。
③自社と価値観が合うかどうか
この価値観にズレがあると、企業の求める判断ができなかったり、コミュニケーション不足や時間のロスに繋がります。
自己PRの文章構成(書き方)
自己PRの重要性や伝えるべき内容を踏まえ、ここからは基本的な文章構成について見ていきます。すっきりと読みやすく、評価されやすい書き方を目指しましょう。
結論(現在)
自己PRでは、「結論(現在)」を最初に述べましょう。これは現在のあなたがどういう人間かということを明確に伝える部分です。「私の強みは積極性です」、「私は視野の広さに自信があります」などと簡潔に表すと、読み手はすんなりとあなたの文章を読むことができます。「最も伝えたいこと」を冒頭に持ってくることは非常に重要で、自己PR以外にも共通して言えることです。
理由・発見(過去)
ここでは、冒頭で述べた「結論(現在)」を裏付けるために、「理由・発見(過去)」をエピソードという形で持ってくると良いでしょう。強みとなった理由を、過去の経験談を通して分かりやすく伝えます。余裕があれば、そこから得た発見なども加えてみると良いかもしれません。
意思(未来)
最後に、「意思(未来)」について触れます。案外この部分が抜けてしまう就活生が多く見られますが、強みを活かしてどのような貢献ができるかを明記する必要があります。企業の求める人材に合わせて、文章を締めくくりましょう。
おわりに
志望動機の書き方についてご紹介しました。いきなり完璧な自己PRを書くことは難しいかもしれませんが、まずは「企業の求める人材とアピールする強みを一致させる」、「文章構成に当てはめて書く」という2点に気を付けて書いてみてください。エピソードも具体的に書けるとなお良いでしょう。