【IT職種図鑑】|サーバーエンジニア

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IT業界には様々な業界や職種が存在します。今回は、「サーバーエンジニア」について見ていきましょう。

そもそもサーバーって何?

サーバーは、英語のserverからきており、日本語にすると「供給者」という意味になります。日常生活で使われるサーバーと言えば、水を供給する「ウォーターサーバー」、ビールを供給する「ビールサーバー」などがありますよね。

このように、ファイルやメールなどのデータを供給する装置(コンピュータやソフトウェア)という意味で、ITの世界でも「サーバー」という言葉が使われています。

サーバーの働きの一例として、Webページの閲覧が挙げられます。私たちがWebページを閲覧するとき、HTTPという通信プロトコルにより、自身のコンピュータから「このページが見たいので表示させてください!」とサーバーにお願いします。すると、サーバーがそのページを探し出して返してくれます。そうすることで、私たちのコンピュータにそのWebページが表示されるのです。

ちなみに、コンピュータからサーバーに欲しいページやファイルなどの情報をお願いすることを「①リクエスト」、サーバーがコンピュータにお願いされたものを返すことを「②レスポンス」と言います。

通信プロトコルとは

ネットワーク上での通信に関する規約を定めたもの。つまり、通信をするときにお互い(自身と通信相手)が守るべき「ルール」です。「通信規約」や「通信手順」と訳すこともできます。

仕事内容

サーバーエンジニアの仕事は、大きく分けて「構築業務」と「保守業務」に分かれています。それぞれ見ていきましょう。

構築業務

サーバーには、Webサーバー、メールサーバー、ファイルサーバーなど様々な種類があります。どのサーバーを何台使用するのか、スペックや処理能力などを考慮して設計・構築していきます。この段階では、後々の運営がスムーズにいくように先を見据えて構築していくことが重要になります。

サーバーの構築ができたら、ラッキングや配線などの物理的な業務を行います。IT業界で言うラッキングとは、サーバーとなるコンピュータを専用の棚(ラック)に設置し、使用可能にすることを指します。

それらの作業が完了したら、実際にサーバーシステムを動かすためのOSや、そのOS上で動作するアプリケーションソフトウェアをインストール・設定します。

OSは目的や使う人によって種類が異なり、広く認知されているWindowsMAC OSのほか、UnixOSやスマートフォンのAndroidiOSなどがあります。これらOSの設定までが、主な構築業務となります。

保守業務

保守業務は、サーバーを実際に運用しながらその時々の状況に応じて変更を加え、管理していく業務です。

監視・障害対応が主な業務で、サーバーにエラーが起きていないかを常に見張ります。障害が起きれば即座にメンテナンスを行い、別の障害にも対応できるように備えます。

他にも、「設定変更に関する業務(OSのバージョンアップに伴う端末の設定変更やアクセス増加に対応するためのチューニング作業)」、「バックアップ業務(バックアップの設定が正常に機能しているかを確認)」、「セキュリティ対策(ウィルス攻撃対策など)」などの幅広い業務が含まれます。

こんな人におすすめ

職人気質な人

サーバーエンジニアは、思い通りにサーバーを作り上げるために日々試行錯誤しながらシステムを構築し、地道に作業を進めていきます。専門的な知識をフルに活用し、時には吸収しながら夢中で作業ができる職人気質な人には最適なポジションと言えるでしょう。

コミュニケーション力が高い

サーバーエンジニアは、どちらかというと陰で支える仕事です。しかし、機器やサーバーに関する知識だけでなく、業務に関わる人たちとコミュニケーションを取る能力も必要です。同じプロジェクトの人と連携したり、時には顧客との打ち合わせにも参加します。周りの人となんなくコミュニケーションを取ることのできる人には向いている職種と言えるでしょう。

メカニック好きな人

サーバーエンジニアには、キッティングという物理作業が付きものです。エンジニアの中でも特にメカニックな職種で、様々な機器に触れ、それぞれの特性を熟知していなければなりません。そのため、メカニック好きな人であれば知識も吸収しやすく、適性があると判断できます。

必要なスキル

サーバーエンジニアは幅広い業務を担当しているため、「サーバーやOSの知識」はもちろん、「セキュリティ関連」や「ネットワークの知識」なども必要になります。

例えば、サーバー構築の際はどの機器がどの程度の性能を有し、構築のコストがどのくらいかかるかを概算できれば周囲の助けとなるはずです。そのためには豊富な知識が必要になり、さらにそれを実現できるだけの力量も問われます。

まずは、高いネットワーク性能を持つ「Unix OS」、人気のサーバーサイド作業環境「LAMP」、最も普及しているデータベース言語「SQL」、「パケット通信周りの仕組み」などを最低限押さえておくと良いでしょう。

その他にも、トラブル時の「問題発見および解決スキル」、サーバーという基盤を作る上で必須の「正確さ」、どんな障害にも対処できる「柔軟性」も大切な要素です。

サーバーエンジニアのやりがい

サーバーエンジニアのやりがいは、「トラブル解決時の達成感」「頼りにされる喜び」にあるようです。

システム基盤であるサーバーに何らかの障害が起きた場合、迅速に対処するためにあらゆる手段・知識を用いて解決にあたります。試行錯誤を繰り返し、やっとの思いで原因の究明・解決ができたときは大きな達成感を得られるようです。

また、IT化が進む今日では、サーバーにトラブルが起きれば多くの人の業務が止まってしまいます。障害が起きないように管理することはもちろんですが、万が一起きた場合に多くの人に頼られ、求められることもサーバーエンジニアとしてのやりがいです。

代表的な企業

サーバーエンジニアが活躍する代表的な企業は、以下の通りです。

富士通、NEC、ヒューレット・パッカード、デル、IBM、日立、アウトソージングテクノロジー etc

サーバーエンジニアの需要と将来性

最近は、ビジネスに使用するデータ量が加速的に増え続けており、さらにコンピュータの性能向上が拍車をかけ、「ビッグデータ」という言葉が注目を集めるようになりました。

このような背景から、サーバーのデータ処理能力を加速させ、ビジネスで有効活用できる仕組みを作るところまでがサーバーエンジニアに求められています。

また、スマートフォンの登場以来、あらゆる企業がインターネットに関心を寄せています。それに伴ってサーバーエンジニアの需要が高まり、求人も増加しています。

近年、ネットワークのクラウド化が進み、自社にサーバーを置かない企業も増加しています。AWSや仮想化の台頭で仕事が無くなるのではないかというネガティブな予想を立てる人もいますが、サーバーのようなインフラが無くなることはありません。

どれだけ仮想化やクラウド化、自動化が進んでも、進化に追いついていく技術者であれば必ず需要はあります。サーバーだけでなく、ネットワークや最新技術の知識があれば、むしろ重宝されるのです。

今後IT技術がさらに進化していくにつれ、高いスキルを持ったサーバーエンジニアが様々な局面で活躍していくことが予想されます。

サーバーエンジニアの詳細データ

気になるサーバーエンジニアの詳細なデータをまとめてみました。

平均年収

サーバーエンジニアの平均年収は、460550万円と言われており、企業規模や経験年数、保有資格などにより変動します。また、平均月収は3034万円となっています。

男女比

サーバーエンジニアの男女比は8:2で、細かく見てみると男性が84%、女性が16%となっています。(マイナビ調べ)
女性の比率は他のインフラ系エンジニアと同様20%に届きませんが、緩やかな増加傾向にあります。

働き方

サーバーエンジニアの業務は、明確な納期が設定されているわけでは無いため、一見他のエンジニアよりも負担が少ないように感じます。しかし、サーバーエンジニアはサーバーを一定レベルで安定的に維持し続けることが主な業務になります。そのため、昼夜問わず24時間体制で監視をしなければなりません。ほとんどがシフト制での勤務となります。

主な開発言語と資格

サーバーエンジニアになるためには、プログラマとして経験を積む必要があるため、様々な言語と触れる機会があります。サーバーエンジニアを目指す場合は、データベース言語である「SQL」を押さえておくと良いでしょう。最も普及している言語であるため、必須となります。
以下では、サーバーエンジニアが持っていると評価される主な資格をご紹介します。

  • マイクロソフト認定資格(MCP
  • Linux技術者認定資格(LPIC
  • Cisco技術者認定(CCNACCNP) etc

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